5.キャンプ場は何処?

漸く車の流れが普通になる。
25号の場合は80~90km/hくらいだ。
いつものように走行車線を走る。
極端に遅い大型車が前方を塞ぐ場合だけ追い越しを掛ける。
17時少し前再び渋滞。もう天理市の近くまで来ている。
路肩を1kmも走ると針インター。25号を降りる。

道の駅で休憩。地図を確認。
ここからは369号を南下して吉野で370号・371号と西へ向かう予定。
369号は片側一車線の田舎じみた道だ。
民家や店舗が建ち並ぶが後ろは林・山。
暮れ始めの空に紅葉。時間があれば写真を撮りたい景色だ。
現地の小型車のペースで走る。

40kmほどで吉野に入る。民家もなくなり、文字通りの山中だ。
ぐるりぐるりと山中を回っていく。
三叉路に出くわす。製材所を右手にほとんどUターンして西へ向かう。
この道・・記憶がある。おそらく10年以上前、そのときは左折したはず。
道は完全に一車線になる。
地元の車が帰り道を急いでいるようだ。
後に続くと大変に走りやすい。

24号に入った。
やがて五條市・橋本市に至る。
もう真っ暗だ。標識もほとんど読めないから、とにかく国道らしき道をこれが正しいと信じて走り抜く。
意外に街が開けている。大型店舗や各種チェーン店がずらりと道沿いに並ぶ。
どこかで夕食を・・
店を物色しながら走る。

やがて高野口町に。
道沿いの紀ノ川を渡って370号へ向かう。
が、道が見つからない。
少し東へ走ったところで一旦ストップ。
ヘッドライトで地図を照らして現在地を確認。
確かにこの近くの筈だが・・・
地図が古いので渡った橋が別の新しい橋だったかも?
Uターンして西へ。

途中でコンビニを見つけ、水とおかずを購入。
おかずは明日の朝食用。
夕食はキャンプを張ってから24号沿いの店で食べよう。
既に18時半過ぎだ。
更に西へ・・・もう5kmは走った。480号に入りこむ。
完全に道を間違えている。
再度Uターン。

もしかして・・・5kmほど東へ戻って、車一台漸く通れる道を見つける。
標識なし。
念のためにその道に入って100mほど進む。

”370号工事中。危険なため、通行を控えてください。”

「???」

通行禁止ではない・・・つまり通行してはいけないわけではないということだ。
工事の時間でもないし、キャンプ場は370号沿いだ。
行くしかない。

すぐに落ち葉や小石が道に散乱した入り組んだ道になる。
真っ暗なので時速30kmほどで走る。
何よりもキャンプ場を見つけるのが大切。
しかし、行けども行けども見つからない。
1時間は走った。
まるで民家もないところにぽつんと公民館があり、椅子が置いてあるので一服。
霧も出てきて少々心細い。
相変わらずキャンプ場はない。
既に370号に入って20kmは軽く超えた。
やがて道が整備されてきた。どうやら高野山の町に近づいてきたようだ。

遂に高野山の奥の院に到着。
既に21時を回っている。
とにかく夕食を。が、夜の早い街だ。
食堂は閉じてしまっている。
しかも宿泊場所もまだ決まっていない。
風は冷たい。

奥の院の看板地図の前にバイクを止めて椅子に座り込む。
奥には数十万の墓石が・・・夜の憩いの場には程遠いけど、そこまで頭が回らない。
高野山の町中を抜けて480号から24号へ戻り、ホテルを探すか、
未舗装の林道に入り込み、別のキャンプ場を探すか・・・いやそれはあまりに危険だ。
途方に暮れて看板地図を眺めていると、なんと高野山内にキャンプ場が!
1年前に歩き回ったおかげで高野山の町中の大体の位置は分かっている。
何とかなりそうだ。
道路標識を見上げながら警察署、ユースを過ぎて公園方面へ。

遂にキャンプ場を発見。
バイクを乗り入れてテントを設営開始。
と、みるみるとテントの表面に霜が降りてくる。
そういえばここはスキー場にもなるらしい。
寒いはずだ。

既に22時を過ぎている。
携帯コンロで日本酒を温める。
マグカップに入れて飲んでいるうちに酒が温くなってくる。
やれやれだ。
しかし、コンビニでおかずを買っておいたのが救いだ。
一品ものだけど・・
しかし、箸を持ち忘れていた。
ポケットナイフをソーセージに突き刺して箸代わりに。
とにかく身体を冷やさないようにおにぎりをよく咀嚼して食べ終えると
時間は11時前になっていた。

私以外に誰もいないキャンプ場。
丘一つ向こうは霊園=墓地だ。
身体が冷えてくる。
こんな時は現実逃避に限る。
私は冬用の寝袋に蓑虫のように潜り込んだ。
by dokuzenryu | 2006-12-17 21:01 | ツーリング


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