吉野千本桜 2.登山になってしまった

朝7時。小鳥の声で目が覚める。
晴れたようだ。テントの中まで明るい。

しかし、肩とか凝ってるな。
私は寝袋の中で寝ゆるを行う。
もぞもぞと動いていると背骨が柔軟性を取り戻し、肩も腰も楽になってくるのだ。
時計を見ながら30分ほど、体調を整える。

下着を着替えてテントから這い出すと、青空が広がっていた。
辺りはキャンプ用の芝生だ。
手が切れるように風が冷たい。
-5℃くらいは大丈夫なはずの寝袋なのに、妙に昨夜は寒いと思ったが、
確かに寒かったのだと納得。
水が凍らなかったのが不思議なくらいだ。

テーブルに昨日の残りを取り出して食べ始める。
水は後500cc。パックのコーヒーを取り出して湯を注ぐ。
本物には遠く及ばないが、インスタントよりも遥かに香ばしい。
キャンプ地でのコーヒーって贅沢な気分にさせてくれるんだな、これが。
何度も言うが、テーブルがあると荷物の整理がとても楽だ。
バイクにバックを詰め終えるのに30分程度で済んだ。

少し近くを散策して、吉野へ向かおう。
昨日の霧の中の道をバイクで走る。
すぐに左右に分岐するが、右に行くと更にだいぶありそうだ。
この辺りで写真を撮ってから立ち去ろう。

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寒いはずです。山頂はまだ禿げ山なんだもん。

山の景色を楽しむのも良いが、時間的余裕がない。
10分ほど写真を撮ったり風景を楽しんだり・・
昨晩ロッジで夕食を取っていた老人に出会う。
ご挨拶。
どうやら大峰界隈がお好きらしい。
私もこの地方のファンだ。話が弾む。
実際は私などより随分と詳しい方で、山の植生や動物について教えてくれる。
熊はいないようだが、鹿が増えすぎて害になっているらしい。
でも、昔に比べてハンターが少ないので駆除も進まないそうだ。
9:30を過ぎてしまったので、残念ながら話を切り上げさせてもらう。
お元気で。
感じのよい方だった。

昨日霧の中を登った道を今度は降りていく。
道沿いに見える山々はなかなかの景色だ。
昨日はとても気づかなかったが、道の端の方に苔が生えている。
よく大丈夫だったものだ。
15分ほどで山道を下り、169号に復帰。
いよいよ北上して吉野を目指す。
この界隈、道がとても整備されていて、快適だ。
景色もよいし・・

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バイクを降りては、吉野川やダムの景色をカメラに収める。
朝一番の空いている時間帯に吉野桜を見る計画はすっかり頓挫してしまった。
吉野に近づくにつれ渋滞になる。
出発前に調べたところでは、駅前から専用バスが出ているそうだ。
吉野に入り込んだtころで、交通規制。
警察署?の駐車場にバイクを停車する。
ズラリと観光客がバスを待って並んでいる。
どうも気が進まない。歩こう。

私は2kmほど歩くことに決めた。
田舎の道をテクテクと歩いていく。
周囲は半分ほどは田圃や畑だ。
今日は暖かくなりそうだ。
汗ばみながら坂道を歩いていく。

30分ほどして漸く吉野山に来た。と思ったらここからが始まりだった。
山道・・・登山道といったほうがいいか・・を大勢の人が登っていく。

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ゆっくりと15分くらいか、登ると茶店やお土産屋が軒を連ねる。
修験道の本場だからか、門前町といった塩梅だ。
よく考えたら今日は日曜日だから、最繁期なのだろう。
ローカルな例えで恐縮だが、祭りのときの熱田神宮の境内のような混雑振りだ。
全般に小奇麗な店が多く、商売繁盛な雰囲気だ。

金峯山寺の山門を潜る。
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山門から下を見るに人々が数珠繋ぎに歩くのが見える。
「うむ。民が平和を謳歌している。喜ばしいことじゃ。」
図らずも心の内を口に出してしまう。
横にいた女の子が訝しそうに私を見つめている。

蔵王堂に到着。参観だ。
ご本尊は蔵王権現。
幕が掛かっていて見られないが、本尊にはなっていない蔵王権現像や
裏手の本地堂の釈迦・千手観音・弥勒菩薩と開祖役行者など拝観を楽しむ。
意外なところで天海僧正の坐像もあった。

まだまだ参道は続く。
途中で陀羅尼助丸(胃腸薬)や大名庄屋酒(地元のお酒)などを買い込む。
利き酒1ccくらい?で結構いい気分になってしまう。
それにしても人が多い。
ここはやっぱり奈良の名刹で、しかも桜の名所で、更に日曜日だから、これほどにも人が多いのだ。
いい加減に疲れてきた。

左手に分岐点が。
吉水神社の標識が。ここも有名な神社だ。
入り口前で、山の風景を見るところがあり、人だかりが・・
なかなかに写真を撮れない。
再混雑時に訪れてしまったようだ。
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拝観料を払って中に入ると、丁度宮司さんのお話が始まるところだった。
ラッキー♪
ここの宮司さんは愛国者・・・きっと神韻縹渺とした神の化身かと思わせるような
・・・のはずなのだが、・・・吉本の芸人のような愉快な人だった。
かなり気前のいい、出し惜しみのない神社で、貴重な宝物や部屋を
公開してくれている。撮影もOKだ。
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(静御前のお召し物。先日、イタリアで展示されたそうな。)
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(源義経の鎧。推定するに身長150cmほどの小柄だったという。)
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(修験道開祖・役行者と前鬼・後鬼。鬼がユーモラスでかわいい。でも役行者は厳めしいの。)

意外なところでは、中国の三賢人・孔子・老子・荘子・・だったと思うが、
絵が飾られていて、理念を説明してくれた。
楽しいお話だった。

既に時刻は夕方近くなっていて、明日は仕事なのでそろそろ帰らねば・・・
参道を逸れて、山を下る。
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やっぱりバスは性に合わず、1時間近く歩いて、駐車場に戻ったのでした。
結局、半日近く、歩き詰め、写真撮り詰めで立ちっぱなし。
途中で食事を摂り、カーナビの指図通りに走って、
名古屋に辿り着いたのは21時過ぎでした。
疲れてるけど、夕食は自炊・・・旅の後は節約しなくっちゃ♪
by dokuzenryu | 2007-04-30 00:16 | ツーリング


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